授業時間以外でのSkype(スカイプ)指導を始めました
授業時間以外の過ごし方で成績の上がり方は決まる
今まで確かに成果は出し続けていますが、今までの指導方法がベストだったかといえば、必ずしもそうではないと考えています。全員が元々の第一志望校合格を果たしたわけではないからです。
常に問題となっていたのは、生徒と対面する授業時間以外に、いかに必要なことをしてもらうかです。授業時間以外の時間の過ごし方が、成績の上がり具合に大きく影響するのです。
直接指導が週に一回だとすると、生徒と次に会うのは1週間後です。そのときまでに、学習したことが身についていればいいのですが、必ずしもそうはいかないのです。こちらが期待する復習の方法を正しく行っているかどうかは、次回会って確認テストをしてみないとわからないのです。
対面する機会の間を埋める
そこで、今月から直接契約している生徒に対し、保護者様のご了承をいただけた場合には、Skypeを使ったやりとりを始めることにしました。
スマホからではできないのですが、PCからならばビデオメッセージという動画の留守番電話機能が使えるのです。
指定した量の英文や単語を覚えるという宿題を課しましたので、この仕組みを活用し、
- なめらかに音読できているか
- 発音は正しくできているか
- できていないなら、どういう修正をすればよいか
を毎日確認することにしたのです。
これまでは1週間後でないとできなかったことを翌日に行うことができるため、学力向上に高い効果が期待できます。
ただし、まだ実験段階です。今までにこういった指導方法を私は行ったことがないため、効果的な仕組みを確立すべく、手探りで進めています。今まで一年かけて全くといっていいくらい成果が上がらなかった(覚えられなかった)ものを身につけることができるのか。
また進展がありましたら報告します。
解法暗記で数学の成績は上がるのか?
結論
上がります。実行しさえすれば、平均点を少し上回るところまでは必ずいきます。
ただし、その後さらにレベルを上げるためには別の方法も取り入れる必要があると考えます。
いわゆる暗記数学とは
私が学生の頃(昭和末期)、数学の力を上げるためには、
わからない問題を何日もかけて考えるとよい、といわれていました。
考えて、考えて、考え抜いて、ある日突然解法がひらめくのを待つのです。
なるほど、そういうものかということで、中学生~高校2年生くらいまでは難問についてそのようにしていました。
その後、和田秀樹さんが有名ですが、いわゆる暗記数学という考え方が紹介されるようになりました。
簡単にまとめてしまうと表現上ごかいをまねくこともあるのですが、あえてまとめると、基本的な問題の解法を理解した上で覚えていくという学習法です。
ある程度のレベルまでの問題の解法は難問を考えるための材料としてひたすら頭に入れていき、難問はその頭の中の材料を試行錯誤して組み合わせることによって解こうとするものです。
推奨したい学習ステップ
私は指導現場では、生徒に次のような段階で進んでいくことを推奨しています。
- その単元の基本事項を理解する
- 基本問題の解き方を理解する
- ヒントを見ずに自力で正解する
- 複数の問題に共通した考え方を言語化する
- その言語化した考え方を別の問題に当てはめて使ってみる
適した学習方法は目的による
生徒ごとに数学を学習する目的が異なります。
- 数学を学ぶこと自体が楽しい(半分趣味みたいなもの)
- 試験に出るから仕方なく取り組む
これら目的によって、適した学習方法は変わると思うのです。
前者はひたすら考え抜く方法が向いているのではないでしょうか。
といいますか、半分趣味みたいなものなのですから
好きなようにすればいいのです。趣味に私が口を挟む必要はないのです。
指導現場で実感することですが、大半の生徒が試験に出るから仕方なく取り組むのではないでしょか。
この場合は、効率重視でなるべく手間と期間をかけずに成果を出していくことが求められます。気が進まないことを長期間し続けることは苦しいですからね。
こういう生徒に「ひたすら考えろ。そのうちわかる。」などといったところで、聞く耳を持たないのです。
「そのうちって、いつだよ。」ってなもんです。
考えるためは材料が必要
一口に考えるといいますが、少なくとも試験問題の解き方を考えるという場面に限定すれば、私は生徒に伝えています。
「考えるとは、知っている基本問題の解き方をどう組み合わせればよいかを試行錯誤してみること。」
これは、基本問題の解き方はすでに身につけていることが前提です。
ここでいう身につけているとは、単に知っている、覚えているというだけではなく、その解き方の流れをいつでも頭から取り出せて使える状態でいることをいいます。
つまり、解き方を考えるためには材料が必要だということです。
身につけている解き方の流れを材料として、それを加工することが考えるということだと伝えています。
解法暗記が有効であるタイミング
そうであるならば、解法暗記は基本問題の解き方を理解して覚える段階ではたいへん有効なものであると考えます。
いまさらですが、ここでいう基本問題とは、どの問題集にも載ってるレベルの問題のことをいいます。
具体的には、教科書傍用問題集やチャート式の一部など、
各単元の初歩的なところを問う問題のことをいいます。
どの学校でも、どの塾でも「ここが大事」といわれるような問題ということです。誰もが通るべき道ということもできるでしょう。
これらが身についた後にさらに学力レベルを上げるには、
いわゆる応用問題を演習することになります。
もう、この段階にきたら、単に解法を覚えていくという取り組み方はお薦めしません。
- 考える材料をそろえる段階
- 手持ちの材料を加工する技術を磨く段階
では、そのために有効な方法は異なると考えています。
前者の段階では、解法暗記は効率的です。
後者の段階では、試行錯誤してみることが有効です。いつ芽が出るのかが事前にわからないのが残念なんですけどね。
だからこそ、受験生には、遅くとも夏休み終了時点では
基本問題の解き方がほぼ全て身についたと自信を持っていえる状態を目指して計画してほしいのです。
生徒に成果が出るのなら、自分にも成果が出るのではないか?
合格パッケージ(仮称)をつくる
前回、合格パッケージをつくる宣言をしました。
申し上げるまでもなく、今までも計画的に復習のタイミングを指示して都度その達成度合いを確認し、最適な期間で必要なレベルまで引き上げるということはおこなってきております。
しかし、考えてみると、今のスタイルでは契約をしてくださった目の前にいる生徒の役に立つことだけで止まります。ビジネスですからそれはそれでかまわないのですが、何も常に私が目の前にいるときにだけ指導を受けるスタイルにこだわらなくてもよくないか?
と気づいたのです。
私が何らかの指示をすることについて、
- どういう目的でその指示をしているのか
- どうすれば自分で復習するタイミングを管理することができるのか
- 管理表はどのようにつくればよいか
- どの教材をどの順に取り組めば良いか
ということを生徒や保護者の方とあらかじめ共有しておけば、必要な行動を私が行く前に必要なタイミングで行うことができるようになります。
そして、この仕組みをものとしてパッケージ化してしまえば、それを直接契約をしていない方たちにも提供することができるので、より多くの人の役に立つことができると今更ながら気づきました。
これはやるしかない、ということです。
- 情報を受け取る側の立場である生徒や保護者の方
- 情報を出す側の立場である私
の両方が喜ぶスタイルが出来上がります。
つくるのには手間も時間もかかるが
ただ一つ、問題点があります。
この、ものとしてパッケージを作る、という作業が思ったよりも大変です。
理想的には、1年間かけて合格レベルまで持っていく情報をひとまとめにしたいのですが、いきなり短期間でそれを全て作ることは個人事業主である私にとって、開発時間とコストの関係から難しい話です。
自分で自分を指導する
と思ったのですが、そこで生徒にいつも伝えている内容を私自身に伝えてみました。自分で自分に
「あなたは短期間で合格を勝ち取るためにどう導くか、というサービスを提供しているのではないか。」
「それを自分の仕事に当てはめてみてはどうか。」
と問いかけたのです。
達成するために数ヶ月かかる見込みの大きな仕事をする時は、
- 達成したい目標を決める
- 何段階かに分けて都度達成する中間目標を作る
- その中間目標に向かって1ヶ月、1週、1日あたりどのくらい進めればいいかを見積もる
- 毎日具体的に何をすれば良いかを計画に落とし込み実行する
いや、我ながらいいこと言ってますね。それはそうです。これを実行して何人もの逆転合格のお手伝いをしてきていますから。効果実証済みです。
先人の知恵を拝借し活用する
これを私自身が気づいて実行してきたと言うと格好いいのですが、残念ながら受け売りです。自分自身が中学生の時に、学習法の本を読んで学び、実行してきたことです。
所詮、何十年も前から何をどうすればいいか確立されている技術を身につけるだけのことですから、先人の知恵をフルに活用すれば良いだけのことです。
当時と違って、今はものとしての出版物を作ることや、授業動画を作って必要な人に見てもらうことをするためのハードルがものすごく下がっています。これを10年前にやろうとしたらものすごくコストがかかったわけですから、一個人が簡単にできるものではありませんでした。
でも今は、もともと持っているパソコン、スマホを使って、ほぼ追加費用なしに電子書籍や解説動画を作ることができます。こんな恵まれた時代にいるのですから、これを活用しない手はありません。
人からの紹介を待つのではなく、来年の受験に向けた新しい取り組みにチャレンジすることを決めました。新しい出会いも期待でき、私が役に立てる範囲が広がっていくイメージを持つことができ、ワクワクしています。具体的な進捗は追って紹介してまいります。
オリジナルの復習教材と管理表を開発し、成果を必ず出す仕組みづくりを始めます
生徒と同じ時間帯と空間を共有しなくてもいいのでは?
申し上げるまでもなく、今までも計画的に復習のタイミングを指示しその達成度合いを確認し、最適な期間で必要なレベルまで引き上げるということは行ってきております。
今までの指導の進め方は、
- 生徒と直接向き合い
- 今何ができて、何ができないかを確認し
- 今改善すべきことを伝え
- 次回までに何をすればよいかをスケジュール化し
- 毎回達成度合いを確認する
というものです。
これでも結果は出ているので、大きな問題点はないのかもしれません。
しかし、この進め方の最大の欠点に気づいてしまったのです。
私がボトルネック(障害)になっている!?
結局、私を通さないと生徒は次に何をすればよいかがわからないんですね。
結果がそれなりに出ていたので気づかなかったのですが、
本当に身につけてもらうべきことは次のことでした。
- 何をすればよいかを決める考え方
- いつすればよいかを決める考え方
そう、何をいつすればよいかを教えるのではなく、
それを自らが導き出せるようになってもらうことが大切なのです。
復習したくてもできない、をなくします
一度聞いてすぐに覚えて使えるようになればそれに超したことはありません。
でも、そんな夢物語をぼんやりと期待していても成果なんて出ません。
身につけるべきことは何度も繰り返し練習することが必要です。そのとき、解説が必要なテキストしかなかったら、生徒はどうすればよいのか。
テキストだけ読んでもわからないから授業が必要なのですから、せっかく復習しようとしてテキストを読んでも、なにをどうしてよいかがわからないのです。
それでは復習しませんよね。何か書いておかないと怒られると考える生徒は答えを写してできたふりをすることになるのです。
当然の帰結です。事前にわかっているなら、教える立場の私が対処しなければいけません。生徒にすべて任せてしまってはいけなかったのです。
ものとしての教材セットをつくります
そこで、今シーズンから復習に必要なものをパッケージ化した教材セットを開発することにしました。
前職で身につけたExcelVBAはかなり高度なことまでできます。
まずはそれをもとにたたき台をつくり、
並行してPHPやPythonなどのプログラミング言語を学び、
ゆくゆくはWebやアプリ作成につなげて
より使いやすいものにしていくことにしました。
手段は現時点でよしと思うことに過ぎないので、今後変わっていく可能性はあります。生徒にとって使いやすくて効果的なものをつくるという方針に沿って進めてまいります。
今の自分のレベルを確認して、志望校過去問との差を認識する
以前の記事について補足します。jukenshidou.hatenablog.com
過去問分析をした後は今の自分のレベルを確認して、
志望校の過去問が要求しているレベルとの差を認識することが大切です。
そのギャップを埋める作業が本来の受験勉強です。
定番の参考書を問題集や塾のオススメ本を
何も考えずに解けばよいというものではないのです。
確かに、新設校を除き、どの学校についても受験情報はたくさんありますから、
どの学校を受けるならどの問題集を仕上げるべき、
という定番のものはあります。
もちろん、使える(概ね6~7割は解説を頼りにすれば自習で扱える)ならばそのまま使えばよいのです。
しかし、その問題集が自分に合っていないときにまで、どうしてもこなさなければいけないのでしょうか?
もちろん、そのときは他の本を使えばいいのです。
なにか生理的にあわないというのなら同レベルのものから選べばよいでしょう。
その定番の本がレベルが高すぎて、解説を読んでも理解できないものが多数あるということなら、思い切って初歩的なところから扱っている参考書、問題集から順に取り組んでいくことが必要です。
根性と気合いとプライドだけに頼って、扱いきれないレベルのものを無理して使う必要などないのです。初歩を固めてから進めば、思っていたほど難しくはないな、と評価が変わったりするものです。
まずは、教科書傍用レベルの問題集を解いてみて、
7割以上はすらすら正解できる(実際に計算して答えを出してみることが大切です)なら、次の段階にすすめばよいでしょう。
それが難しいのなら、初歩的なレベルから地道に復習していくことが必要です。
焦らずに、一歩ずつレベルを上げていきましょう。
過去問分析では、まず解説を見る
過去問分析をするときは、まず解説から見ることをお勧めします。
そしてすかさず問題を読むのです。
少しでも問題に対する心理的なハードルをさげ、
- 問題で問われている単元と内容
- 解答分量と記述内容のレベル
をまず把握することに努めます。
その学校が要求する単元とそのレベル感を味わうことが大切です。
それにより、
- 速さの問題が毎年出ている
- 立体の切断は数年に一度くらいしか出ない
- 場合の数は全く出ない
などという、その学校特有の傾向があればそれを実感します。
その自分で見つけたデータを基に、
- どの単元を
- どのレベルまで
- いつまでに
仕上げるかを仮決めします。
例えば、
- 4月に速さ
- 5月に平面図形
- 6月に○○算
- ・・・
のように割り振ります。
そして、例えば使用する「■■問題集」の速さの単元が30問あるとするならば、4月にこれを全て解けるようにするため
- 定着を図るため、同じ問題を3回ずつ解く
- すると1日あたり3問ずつ進める(のべ30問×3回÷30日)
- これなら無理なく実行できる
- そこで予定表に書き込む(いつ、どれくらい)
などと決めていき、スケジュール化します。
あとは、実行あるのみ。
もちろん、定着度合いを途中で確認しながら進めた方がよいのですが、
3回繰り返す前提で計画していますので、難しく考えずに実行することに集中すればよいのです。
受験した学校に合格するために、過去問の分析をする
今回は前回の内容
を受けて、過去問分析するときに
具体的に何をすればよいのかを
作業手順に沿ってお伝えします。
解説を見る
問題を読む
問題ごとに問われている単元を書き出す
それを過去5年分程度繰り返す
まとめれば、これだけです。
分析が終わったら、自分の現時点でのレベル差を埋めていく作業を淡々と進めていけばよいのです。
では、上記手順について、次回以降それぞれもう少し掘り下げて説明します。