塾講師が本当に生徒に伝えたいこと

志望校合格に本当に必要なことは,塾業界での常識とは異なることが多数あります。それを可能な限りお伝えします。

市販の参考書や問題集を使うだけの独学で志望校に合格できるのか?

目次

独学で合格できるのか?

結論からいうと、できます

受験の解答用紙に、通っていた塾の名前を書く欄はありません。

学校側は、受験生がどの塾に通っていたかについて、何の興味もありません。

 

試験当日に合格点を取れるだけの問題が解ければ、自動的に合格します。

だから、そのために必要なことを準備しておけばいい。

それだけのことです。難しく考えることはありません。

 

独学で合格するためにするべきこと

では、何をすればよいのでしょうか。

学力をのばすイメージ

学力をのばすイメージ
  1. 志望校の過去問を分析して、必要な学力レベルを知る
  2. 今の自分のレベルを確認して自覚する
  3. そのレベル差を埋めていく

まとめれば、これだけです。

実行まで自力で管理しながら行えば、塾に通わなくても合格はできます。

実行あるのみです。今すぐに始めましょう。 

 

とはいえ、これだけをお伝えしただけでは、何をどうしていけばいいか具体的な作業をイメージすることは難しいかもしれません。でしょう。

それぞれをどのように実行していけばいいのでしょうか?

それは、次回以降順に説明します。

 

塾を活用するなら、手伝ってほしいことを絞る

最も重要な作業は、実際にレベル差を埋めていくことです。

それを不安なく毎日実行できる方は、そのまま実行し続けるだけです。

 

しかし、様々な事情があり、すぐに実行できる方ばかりではないと思います。

  • 身内に受験経験者がいないので誰にも相談できず不安である
  • 分析はしてみたものの、それが正しいかどうか自分ではわからない
  • ほとんどの受験生は塾に通うのに、うちの子だけ通わなくて本当に大丈夫なの?

そんなときは実力のある専門家の手助けがあれば、その実行の時間をたくさん取ることができます。この目的で塾を活用するのなら、塾は素晴らしい仕事をしてくれます。

 

私は日々、その手助けをする仕事をしているのです。

 

早く私から卒業してほしいのです。生徒には。

これは本心です。綺麗事ではありません。

 

確かに、塾講師や家庭教師を職業としてとらえた場合、

一度受け持った生徒には授業を長期間たくさんとってもらえると

収入は多くなるので喜ばしいことです。

 

しかし、いつまでも私の助力が必要な状態であることは、

受験する生徒の立場に立って考えるとどうなのでしょうか。

 

私が生徒にしてあげられることは

  • なにを
  • いつまでに
  • どのくらいの精度で

仕上げれば目標を達成できるのかを伝えることであり、

生徒とともにそのレベルまで進んでいくことです。

 

だから、受験直前期にたくさん授業をとっていただくのは

本意ではないのです。それだけ、準備が遅れているということですから。

 

せめて、試験の一ヶ月前には万全の(予定通りの)準備を完了し、

あとは生徒が自習で過去問やメインテキストを回し続けるだけ、

という状態になるようにしたいのです。

 

考えてみれば、それをはっきり伝え続けることを

怠ってきたかもしれません。

 

面と向かっていうのはタイミングが難しいときもありますが、

言語化しておけば

  • ブログにしたり
  • 手紙を書いたり
  • twitterにまとめておいたり

など、適切なタイミングで読んでもらえると

より良い方向に進めるのではないかと思います。

 

そんな意図も込めて最近は記事を書いています。

 

カリキュラムについて行けないのは、カリキュラムが悪いのです

言い切ってしまいました。

我ながら、刺激的な表現だなと思います。

 

塾がつくったカリキュラムは、

本来その生徒に会ったペースと分量で作られるべきものです。

だから、カリキュラムについて行けなくなってしまうならは、

そのカリキュラムは改訂されるべきだ

というだけのことです。

 

焦って、授業を増やして追いつけるようにしようとか

他に家庭教師を頼もうとか、

いきなり生徒の負担を増やすような作戦はとらない方がよいと思います。

 

まずは、できることからはじめて、

続いてきたらペースアップをしていきましょう。

模試になると急に解けなくなる残念な状態から抜け出すには?

前回からの続きです。

 

覚えたはずの問題が模試で出たのに

なぜかそれを解くことができなかった。

 

定期試験(中間、期末試験)では解けた問題が

模試で出ると解けなくなる。

 

このような悩みを持っている生徒をよく見かけます。

 

どうすれば、この悩みを解決できるのでしょうか?

方法は簡単です。

続きを読む

なぜあなたは普段解ける問題が、模試では解けないのか?

単元学習をしているときは解けるのに、
解き方は覚えたはずなのに、
なぜか模擬試験や定期試験になると
解き方を知っているはずの問題なのに解けなくなる。

 

あなたは今、そのことで悩んでいませんか?


勉強が足りないのでしょうか?
確かにそういう場合もあるでしょう。


しかし、多くの場合、
解き方を身につける練習をする方法を少しだけ変えると解消できます。
実は、こういうことはあなただけに起きているのではなく、とてもよくあることなのです。

 

解き方を身につけようとしているときは、

  • 今何の単元を学習しているのか
  • どんなとき方をすればいいのか

を事前に分かっている状態で取り組んでいるわけです。

 

ところが、模擬試験では

  • どの単元の問題が出ているのか
  • 今ここでどの解き方を使えば良いのか

事前には分かりません。こうなると、その場では解けません。


でも、

「このような問題を解いたことあるんだよな…」
という場合、解答解説を読んだとき、

 

「あーそれなら知ってたよ」

という気持ちになりませんか?

 

それは、問題を解くための解き方、考え方は知っていたのです。
知ってはいたけれど、その知識を引っ張り出すことができなかったのです。

 

だからこそ、あの時学習したあの解き方を使えばいいよと
教えてくれたりそういったことに気づくヒントはあれば解けるのです。

 

試験では、ヒントを出してくれる人はいません。
ならば、頭の中にもう一人の自分を作り、
自分にヒントを出してくれれば、うまくいきそうですね。
この、もう一人の自分をつくるための練習も事前にしておきましょう。

 

ポイントは、

自分が教師になったつもりで、解き方を説明できるようにする

ことです。

 

具体的な方法は、次回お伝えします。

 

 

偏差値50からの超難関校合格を手助けできました

この1年間現場で受験指導にずっとかかりきりでした。

おかげさまで今年は直接関わったと自信を持って言える範囲で

御三家の某中学合格と難関私立大学合格

を出すことができました。

 

もちろん、良い結果が出たのはあくまでも生徒本人が頑張ったからであることは

いうまでもありません。しかも、どちらの生徒も大手塾にも通ってます。

個別指導では私一人が担当しましたが、

全て私の手柄であると申し上げるつもりはありません。

 

それでも、一般向けのブログで詳細を書くことはできませんが*1

  • 極めて重要な局面に関わったこと
  • 苦手だった数学のカリキュラムを作り計画的に成績を上げることができたこと

という観点からみると、私も生徒保護者様という受験チームの一員として関わることができたと思えるのです。合格のために自信を持って役に立てたなといえる仕事ができました。

 

中学受験では受験までに色々ありましたが、

最終的には気持ちや体調を立て直し

色々な困難を乗り越えて合格を勝ち取ってもらえたんだなと思います。


大学受験では、センター試験で800点越えを果たしたことにより、

希望していた私立大学は全て合格を勝ち取り

後は西の超難関大学に挑むばかり、

という状態を作ることができました。

 

やはり、苦手なものは基礎から鍛え直し、

あとは応用問題を解きまくれば良い、

という状態に導いてあげることが

超難関校受験の準備としても有効だなと再確認しました。

 

 

今は国立大学の前期試験の発表待ちですが、

私が指導するというサイクルで考えると

来年に向けた段階に進んでいます。

 

これまでも偏差値30からの中堅校合格を勝ち取るなど

成果は出し続けていますが、

最高ランクの成果が出たことに、また違った喜びを感じています。

こればかりは巡り合わせもあるので、毎年担当できるわけではありません。 

 

 

来年の受験でも良い成果を出す手助けができるよう

新しい仕組みを作り始めています。

また、新しい出会いを楽しみにしています。

 

 

*1:私も初めての体験となる珍しい事例のため、書くと私も生徒も身バレしそうなので。

保護者様と講師のコミュニケーションが大切

以前,目標達成のためには,

成功している状態のイメージを描き,

すでにそうなっている自分になりきるとよい,

と教わったことがあります。

 

同時に,

結果にコミットし,とにかく行動あるのみ

とも聞きました。

 

これらが本当に密接に結びつく者なのかどうかはさておき,

そのまま受け入れようとすると危険だと思っています。

 

もちろん,どうなりたいかを明確にイメージすることの大切さは

いうまでもありません。

まず,どこに向かうのかを決めなければ

どこにも行けないと思います。

 

しかし,その目標に至るまでの道のりの決め方は

「とにかく行く」

だけではまずいのではないかと思うのです。

 

行動しなければたどり着くことはないので,

確かに行動することそのものは必須です。

考えているだけでなにも実行しなければ

期待する未来を作り出すことはできないと思うのです。

 

目標の姿を明確にイメージすることと同じくらい大切なことは,

どういう道のりでたどり着くかを明確にイメージすること

だと思います。

 

私の仕事の範囲でいえば,

  1. 志望校を決め
  2. 中間目標を立て
  3. 何の教材を使い
  4. 一日,一週間あたりの進度を決め
  5. 実行を管理しながら進める

というところまで関わる必要があると思っています。

 

多くの場合,講師が関わる範囲は上記1~3で止まってしまい,

後は生徒側に任されてしまうことになります。

 

例えば,一日に1時間は取り組む必要がある状態なのに,

保護者の方の意向が強く反映して,

二日に一度しか家庭学習時間が取れないことがよくあります。

中学受験生は他にも習い事をしていたりするのです。

 

それ自体は受験に何も関係ないのですが,

目標達成のために割くべき時間が少なすぎるときに,

一週間の時間の使い方まで踏み込んで相談をしようとすると

拒絶されたりすることがよくあります。

 

こういう状態になると,やはり臨んだ結果にならないことになっていまいます。

 

また,第三者*1に配慮しなければならないときも,

これもまたなぜかほぼ失敗*2します。

 

逆に,保護者様と講師が腹を割って話せる状況を作れると,

期間があまりにも短い時を除き,

なぜか確実に結果は着いてきます。

 

私自身は,保護者様と直接関われないご家庭とは,

本来保護者様に言うべきことも生徒に伝え,

それでも邪魔*3をしてくるような環境であるときは

関わりを薄く*4していくようにしています。

 

 私はもう,すべての生徒を救うことはできないので,

役に立てる相手を選び,その中で全力を尽くす

と決めて個人事業主の立場で取り組むことにしたからです。

 

塾の社員の立場だと,塾の上の意向を完全に無視するわけにはいかないので,

保護者様や生徒のためになることでも,

言いたいこと,言うべきこ出会っても

立場上いえないことがよくありますから。 

 

立場上いえない話は,改めて書くことにします。

*1:保護者様と講師の間に入る営業職員のことです。

*2:失敗とは,第一志望校不合格ということです。

*3:保護者様の意向が強すぎて,こちらの指導方針を受け入れないこともあります。

*4:「薄く」は,婉曲表現です。私が担当から外れるように仕向けるということです。