定義を覚えて,理解は始まる
私が学習指導の現場で重視している3点のうち,
一つ目が,定義を覚えてもらうことです。
要するに,専門用語を
「○○を××という。」
といえるようになるまで繰り返し触れてもらうのです。
私「関数とは?」
生徒「えーーーっと・・・」
私「がある値に決まると・・・」
生徒「がある値に決まる!」
私「ただ決まればいいんだっけ?」
生徒「あーー,なんかあった。」
私「・・・(見守る)」
生徒「一つの値にだ!」
私「そうだね。じゃあ,最初から通して言ってみよう」
生徒「関数とは,一方の量がある値に決まったとき,
もう一方の量が一通りに決まる関係のことをいう。」
私「いいねーー!!」
まあ,こんな感じです。
算数や数学の問題を解ける子は,
決まって解き方の説明ができます。
筋が通っていて,しかも簡潔な表現でそれができるのです。
その話を始める出発点が,まさにこの定義なのです。
もちろん,単元によっては,
定義は直接問題を解くのには役立たないこともあります。
関数とは何かをいえたからと言って,
のグラフを書きなさい
という問題ができるわけではありません。
いくら大切とはいえ,定義を覚える作業ばかりでは飽きてしまうこともありますので,
具体的な問題や事例に当たって概要をつかんでから定義に戻ることもあります。
そこは臨機応変に対応はしています。
ただし,ある程度その単元の考え方や典型的な問題の解法がわかってきたら,
定義に触れ,応用問題に対応していくための準備を始めます。
これをするかしないかが,
応用問題を自力で解くことができるかどうかに大きく関わってきます。
しかし,指導現場で生徒に聞いてみると,
通っている塾では,このような定義を重点的に教わることはないようです。
いや,講師は説明しているのだと思いますが,
集団塾では,生徒が覚えるまで徹底して定義を教え込むような
時間的余裕がないのでしょう。
そこで,私は時間の許す限り,
定義が身につくまで繰り返し触れていくことにしています。
また,この話は具体的な事例で,何度も触れていきます。