塾講師が本当に生徒に伝えたいこと

志望校合格に本当に必要なことは,塾業界での常識とは異なることが多数あります。それを可能な限りお伝えします。

意外と侮れない。あえてこの時期に計算問題解き方チェック

一寸先は闇といいますが,

本来の意味は置いておいて,ここでは,

 

できているはずと思っていることが

本当にできるかどうかを確認する

 

ことの大切さを強調したいと思います。

 

講師側の立場からいうと,

生徒が模擬試験で計算問題を正解していると

つい「よくできました」で済ませてしまい,

どのような解き方で解いているか,

時間をどのくらいかけているか,

など,解く過程を確認せずにスルーしてしまいます。

 

他に指導したいことがたくさんあるからです。

確認はしたいけど,手が回らないということが多いのです。

 

しかし,過去問を解いてみると,

普段正解しているような計算問題を

なぜか,たまにであっても失点していたりします。

 

こうなると話は別です。

 

(本番の試験まであと数日という)ここまで来たら

もう,文章題の解き方を新たに身につけよう

などどいうことは,私はしません。

 

いわゆる一行問題と,

各学校ごとに明らかに出そうと予測できる単元

の対策に絞って確認をしていきます。

 

「解説を聞けばわかる」

「解いたことが何度もある」

などといういいわけは一切聞かず(笑)

失点しているものはその場でもう一度解いてもらい

解き方,いや,解く過程の書き方を綿密に確認します。

 

すると,見つかるんですよ。

間違えるべくして間違える仕組みができてしまっていることが!

 

概ね,次の3点です。

  • 自分の字を読み間違える
  • どの部分を計算しているのかわからなくなる
  • 特定のパターンのみ間違える癖を持っている

 

事前にわかっているなら,

もっと早い時期に確認して直しておけばいいじゃないか?

 

そう思いますよね。私もそう思います。

 

これが難しいところでして。

 

生徒は,感情をもった人間なんですね。

どのように言葉を飾って説明しても,

すでに身についている解き方を直そうとすると,

心理的に反発をするのです。

 

私「こうするといいですよ。」

生徒「なるほど!そのやり方は初めて聞いた。」

私「じゃあ,この方法で練習してみようか。」

生徒「はーーい。」

 

と一見素直に受け入れたようであっても,

実際の行動は違います。

 

すでに身についている方法で作業をするのです。

私「今回はどんな解き方でするんだっけ?」

生徒「あ,そうだ。えーーーっと・・・」

 

変えられるものなら変えてみよう,

と感じてくれた生徒ですらこうです。

ましてや,その必要性を感じない生徒は

全く動機がないのですから,変えようなんて思いません。

 

「できてるんだから,別にいいでしょ」

という心の声が聞こえてきます。

 

要するに,楽に体が動く方法で身についていることを

矯正するには,

  1. 本人の直そうとする強い意思
  2. 粘り強く見守る指導者

の二つが必要です。2番目はなんらかの仕組みを導入して,

本人だけで(指導者なしで)行うこともできます。

 

しかし,1番目だけは,

本人が変えると決意するための強い動機が必要です。

毎回顔をのぞかせる古い癖との戦いに打ち勝ち,

一定の期間をかけると,ようやく新しい癖が置き換わってくれます。

 

この,解き方の矯正を指導を始めた初期にしてしまうと,

生徒によっては必ずしも解き方の矯正がそこまで大切であるとは認識せず,

学習すること自体が嫌いになってしまうことがよくあります。

 

だから,この癖があると自分のためにならないのだ,

と本人が自覚するタイミングを待って

解き方の矯正に入ります。

結果として,入試直前になったりするのです。

 

私としてはここまでわかっているのですから

申し上げるまでもなく,

手を変え品を変え,応用力がつく効果的な解き方,学習の進め方は説明し,

具体的にどうすればよいかを書き残して

行動を変えることを促してはいます。

 

どの時期にその重要性に気づいて変われるかは

生徒によってまちまちです。

実は,そのタイミングによって,

どのレベルの志望校まで届くかが決まってくるのです。

 

私の今後の課題は,

生徒に合格者の行動に変わる必要性を理解して行動してもらえる

ような伝え方を身につけることです。

そして,少しでも多くのタイプの生徒を救うことです。

 

今日も実践してきます。